おじーちゃん

 

じいじ

 

急に、呼吸もちょっと苦しそうで目もあんまりあかなくなっちゃったように思えたものだから、なんにも言えずに涙が出てくるばっかりになってしまった。でも本当はゆっくりゆっくり、じいじは、ゆっくりゆっくり静かに、少しずつ、ちょっと前から、眠る準備をしていたんだと思う。なかなか会えないから気付かなかっただけで。

 

ぱぱが「分かる?」って声をかけたら、強く頷いていた。嬉しかった。私や弟を指して何か言いたいことがあるような様子も分かった。たぶん、きっと、頑張れって言っていた。頑張るよーと思って、そのままそう言った。頑張るよー、じいじみたいに頑張るよ。またね

 

声が出ないのがかわいそうだった。じいじは本も読むし、新聞だって手紙だって読むし、俳句も手紙もやる人だった。つい最近、ついさっきまでそんな感じだった気がしてしまう。少しずつ亡くなってしまいそうでこわかった。

 

お話だって楽しそうにしてくれたし、私たちの話を嬉しそうに聞いてくれたし、あ、そうだ、戦時中の話とか戦後の話とか聞いて、覚えておこうと思っていたのに、あんまり覚えてていられなくって、もう1回聞きたいなと思っていたのに、もう聞けないのか。

 

大好きだよ、って言いたかったけど、あまりにもお別れみたいで言えなかった。きっと、ぱぱにもそういうところがある。なんだか胸が詰まってしまって、こわくなって引いてしまう。現実を直視出来ない弱さ。

 

言葉の代わりに手を握ったら強く握ってしまったみたいで、顔をしかめていた。ごめんねじいじ

 

はらはら涙が落ちてマスクを濡らした、言葉よりも涙のほうがダラダラ落ちてきた、そういう私じゃ心細いかもしれないけれど、じいじ、なるべく、私も、ぱぱもままも弟も、近くにいるよ

 

 

 

 

 

 

 

 

自己満足の語り

 

身を削って仕事をしている意味が更に生まれた瞬間だったように思う。今日の発表は。

 

今日は大学院で私の学校の事例の紹介をしたら、聞き入ってもらえた。新たな視点ももらえたけれど、私がみなさんに与えられたもの、投げかけることができたものがあると思う、それがすごく嬉しかった。何か感じてもらえたり、考えてもらえたりしたらすごく嬉しい。

 

語り口を褒めてもらえて幸せな気持ちになった。聞きたくなる、おもしろい、わくわくする……決して明るい事例では無いけれどそう言ってもらえて非常に報われた気がした。

 

これまでは、日々の仕事だけで悪いことも補い、良い出来事で悪い出来事を覆い隠し、文字通り必死でやってきた、あるいは日々の微かなきらめきに救われてきたけれども。違う場所で話を興味を持って聞いてもらえたり知ってもらえたりすることはすごくありがたく嬉しいことだと思った。こういう現状があることを、知ってもらえて良かった。学校、生徒、現場、、の「私たち」の現状を知ってもらえて良かったと思う。

 

知ってくれてありがとう。

 

 

私はトウキョウを愛しているのね

 

地元に帰ると思ったら、急にますますトウキョウが愛おしくなった。私はさようならに弱いので、そういうところが影響しているのだと思うけれど。

 

トウキョウそのものというよりも、トウキョウで出会った人たちや大学や大学院なんかの学べる環境、可能性を愛した……愛しているのだと思う。

 

たまに、もうトウキョウで立っていられないなんて思うことがあった。1人じゃつらくて不安で、先行きや現時点への不安に耐えきれず、逃げるようにどこかへ行きたいと思った。トウキョウにいるためには理由が必要な気がしてた。地元でなく、トウキョウでなきゃいけない理由を探してもがいて、強い気持ちで自分を奮い立たせて、トウキョウにいた。

 

そういうの、もういいんだと思った。

 

自信がないなぁと思っていたけれど、ふと気付いたことには、私はいつのまにか自信がついていた。

 

トウキョウでも地元でもどこでも私は私らしくやっていけるだろう、なんていう、根拠のない自信がついた。でも、それはトウキョウでやってきた自負からくるものだろう。いままでの私がつくりあげたものだろう。泥くさくてかっこ悪くて一生懸命な私がつくりあげた。私だけのもの。

 

トウキョウでやってきた日々を愛おしく思う。トウキョウでも地元でも生きていけるな、どっいも素敵だな良いな、と思えた私が、ちゃんと地元を選ぶ。ここまでの段階にこれて良かった。逃げや強制なんかでは絶対に地元に行くもんかと思っていた。大学院に行くのだって、逃げなんかにしたくなかったから、自信や思いがたまるまで待った。時間をかけたけれど、納得がいくまで考えて、自分を待ってあげて、良かったよ。

 

うん、良かったね

 

地元に帰ります

 

そうなんです。いつのまにか、これが私の気持ちになっていた。地元に帰るのはこわいけれど、地元に帰ったら私の人生がつまらなくなっちゃうんじゃないかって不安だけれど、東京で出会った人たちとの楽しい時間が愛おしくて大好きで、なんでだろう、すごく好きだったけれど、それでも地元に帰ろうって気持ちが少しずつ固まっていって、今、そんな気持ち。

 

来年の1年間がものすごく貴重で愛おしいものになる。1年で終わってしまうなんて、本当に本当にもったいない。時間の貴重さについては私が一番強く強く分かっていると思う。時間が過ぎれば私は変化していく、良いこともあるけれど、そのぶん、なにかを諦めたり取捨選択したり、信じたくないけれどそういう時期になってきた。永遠がないなんて、そんな。そんなことあるなんて信じたく無かった……

 

ずっとこのまま生きていけるって思ってた、そう信じて生きていたのに、いつのまにかそれを信じられなくなってしまった。そんなの、いやだいやだって、もがいてるのに、一方ではそれを冷静に、いや、もう、そういう時期がきましたよ、むしろ、猶予をもらったほうですよ、ほら、考えていこうよって、もがくのを制止する自分もいる。

 

そう。私はそういう現実を見ずに生きてきたのです。みんなはもっと早くちゃんと向き合っていたんだよね……いや、そんな、意識なんてしなくても考えられていたのかもしれないけれど、私はそういうのから……逃げたり立ち向かったり理想を追い求めたりしながら……それでも一方で地元のことを忘れられず……東京への期待が捨てられず……そうやって……生きてきたのです。私はそうやって、不器用に生き続けています。

 

 

ツンデレのかわいーコ

 

お友達のひとりに、すっごくかわいー男のコがいる。

 

 

男のコなんだけど、すっごくかわいい。仕草が、ふとしたときの喋り方が。かわいくてかわいくて、いじめたくなっちゃうくらいかわいい。いじめたりかわいがったりしてる。

 

 

でもその男のコは私とは違う世界に生きている。すっごく頭が良いその男のコは、その男のコ独自のルールの中で生きている。彼には彼の世界がある、っていうやつだ。

 

 

私は、今まで、そういう、別の世界への憧れが人一倍強かった。ちょっと下品だったりちょっと極端だったりちょっと変わっていたりするよーな世界に惹かれて、入り込みたくて、でも浸かりきることは出来なかった。あるいはどっぷり浸かってヒタヒタになっちゃって、もう出たいのに出られなくて苦しむこともあった。そんな感じで今まで私がすくすく育ってきたよーな世界とは別の世界に惹かれて、でもときには拒絶されて、生きてきた。

 

 

その男のコは、女とか男とかそういうの関係ない世界で生きているらしい。そういうことを話す彼に出会うのがもう少し早かったら、また、あの頃みたいに、辛くなっちゃうくらい好きになっていたと思う。私はいろいろな、全部の世界を理解したいって思っていて、それを理解できないとすごく辛く感じてしまい、ますます知ろうとしてしまう。理解できないものほど、美しく感じてしまう癖があるから。

 

 

その、かわいー男のコはツンツンしたりデレデレしたりしながら私に彼の世界を教えてくれる。男のコがたまに履くスカートはめちゃくちゃにかわいい。デレたときの彼の距離感はとっても近い。近くて近いので、私は息をとめる。

 

 

彼の話す価値観はすごくすごくおもしろい世界だけれど、私はもう恋人でない異性と同じ部屋にお泊りはしないし、ツンツンされて悲しくなったりデレデレされて嬉しくなったり一喜一憂しちゃうような相手の評価ばかり気にする女の子では無いのだ。

 

 

出会ったのが今で良かった。適度に遊びましょうね。

 

恋人との時間

今週のお題「リラックス」

 

いま、付き合っている人とは一緒にいてリラックスできるのですごく幸せだなと思う。彼氏いない歴5年目に突入している中で、親友からの紹介で出会って、とんとんデートして、3回目のデートがすごく楽しかったから付き合うなんて、奇跡のような、素晴らしいことのように思える。

 

 

付き合ったら楽しそうだなと思った。水族館も車の中も楽しくて、しかもリラックスできていたので。

 

 

いままで付き合った人やデートした人には、ちょっと意地悪したい気持ちや試したくなる気持ちがむくむく膨らんだり、冷たくしたくなる願望や気持ち悪いと感じてしまう瞬間があって、うまくいかなくなっていくことがあった。色々をこじらせちゃってる私が出てきて、なんだか面倒なことになることもあった。リラックスという言葉は似つかわしくない恋愛ばかりだった。

 

 

でも、今回は、いまのところ、先述したようなこじらせが出てこない。ついに中学校(こじらせの例え)を卒業できたのかもしれない。

 

 

彼のことを美しいと感じる。素直で真面目でこじれていなくて適度な自信があって、美しいなーと思う。願わくば私にもそういう部分があって、そういうところを彼に見せられていると良いなと思う。車や相手と近い中でも落ち着いていられるのは、私が大人になったからなのか、教員としていろいろある中で平気になったのか、精神的に元気になったのか、彼のおかげなのか分からないけれど、良いタイミングで良い人と出会えたなぁと思う。

 

 

ただの惚気になってしまった、惚気てしまうような彼を大事にしよう。

 

 

障害のある子たち

今週のお題「ハロウィン」

 

障害のある子たち、ハロウィンがすごく嬉しいみたいで、私が授業でハロウィンの動画を流したらすごくすごく喜んでいた。お菓子をあげたくなるような無邪気さだった。愛おしくなるようなはしゃぎっぷりだった。

 

そういえば私も小さい頃、ハロウィンが大好きだった。いつのまにかパリピ用のお祭りというイメージが強まっていったけれど、そもそもあれは子どものためのお祭りだったね。小学生の頃、一生懸命メイクして、小悪魔に変身したことを覚えてる。英会話教室で。楽しかったなぁ。

 

あのときの私が感じたワクワクを、あの子たちも感じてくれていると良いな。