あれは劣等感だったのか

 業界最大手に就職した友達。会ってからすでに2日たっているのに、まだ心がきしんでいるのが分かる。新しい会社を立ち上げるために「けいえいこんさるてぃんぐ」をやっているという友達は、肌が綺麗で資格の勉強もしていて彼氏はかっこ良くて、「素敵な社会人」だった。彼女のキラキラとした社会人らしい会社の話を聞きたい一方で、仕事の話は話が続かない。彼女の過ごす世界を見たいのに、覗けない。だって、分からないから。言葉に詰まるのが恥ずかしい。これ聞いたらバカみたいかな?説明が面倒かな?と思うと聞けない、いや、一番の問題はそこではなくって、どうすればその話題が膨らむのか分からない。知識がないこと、知らないことはださいと思った。かっこいい彼女の世界に全然入って行けないことが悲しかった。

 

 彼女に貯金が私の4倍以上あることを知って、泣きたくなった。一生懸命貯金している私の貯蓄は50万以下。

 

 そもそも集合場所が銀座のあるデパート前だった。私はそこに、初めて入ったと思う。

 

 この仕事から抜け出したいと思った。でも、それってすごく情けないことだって分かってる。もっと胸をはって働きたい。もっと輝きたい。もっと自分に誇りを持ちたい。もっと、お金がほしい。

 

 

 よくよく考えてみると、私がコンサルティングなんて無理だと思うのと同じく、彼女に教師という仕事は無理だと思う。私は仕方なく教師を選んだわけではなく、教師になりたくて、なった。彼女はコンサルティングの会社に勤めたくて、入社した。そう考えてみると、私は何を憂う必要があるのか?と思う。

 

私がやるべきは、英語と社会と大学院入試の勉強だと思う。ほら頑張らなきゃ、と思うけれど体はなかなか動かない。