ロイヤルホストにて

 

「あと1日しかな〜い。1日しかないよ〜。」と,こどもが言っていた。夏休みのことかもしれない。8月のことかもしれない。

 

 

なんにもしない日がある。なんにもできない日。8月に入ってグッと増えた。なんとなく,なんにもする気が起きなくて,でもやることは頭の中にあるから出来ないことにストレスが溜まる。そのストレスを発散する勢いを利用して,一気にタスクをガーッとこなす。

 

 

なんにもしない日があると,本当になんにもないままに次の日になるので,タイムスリップしたような感覚になる。死ぬのがこわいとか,意識がなくなるのを恐ろしく思う回数が増える。人生における余計な心配が増える。

 

 

少なくとも,弁明するのであれば,なんにもしない日は自分が充電できる。そのあと外に出て,人を見たり人がいた形跡を感じたりすると驚く。私が世界に一人だけ,私イコール世界,のような感覚になっていたことに気付く。こんなに人がいるんだなと思う。電車に乗ったり,ちょっと歩いたりするだけで未知のことがたくさんある。たくさんのことをした日やたくさんの人に会った日は,次の日の予定がないと安心する。人と会うのも好きだけれど,ひきこもるのも同じくらい好きだ。良いバランスでやっていきたい。

 

 

結婚とかこどもとか,そういうことは当たり前にするものだと思っていたけれど,そんなこともないなと思う。私は結婚しないのかもしれない。子どもを持たないかもしれない。でも,私の人生だからね。死ぬことを考える時間が増えて,そうだなーと思った。人と離れゆくことを思った。死ぬことの恐怖は消えないし,どうせ死ぬんだからと気楽に考えられない。でも,私が私として生きる人生が一回だけかもしれないなんて考えたくなかったけれど,どうやらそうかもしれないとは受け止めざるを得なくなった。

 

 

そこで,何か考えるときに,これは私の人生だからな,と思えるようになった。これが私の人生だなんて,分かっていたようで忘れていた。また誰かの目を気にしていた。これ,そうだ,私の人生だった。偉くなってくれよ,と言った校長のことも,いままでの生徒や保護者のことも,親のための世間体も本当は気にしなくて良いことだったんだな。