すでに私の前で2人泣いている
前期試験前、焦りながら学ぶ生徒に青春を感じる。
ひたすら教える。自分の教科はもちろん、なんと自分の教科以外も教える。そうしてやらないと間に合わないくらいうちの生徒たちはやばい。このやばいっていうのは、「プーと大人になった僕」でクリストファー・ロビンがプーに「プーのおばかさん」って言うみたいに愛のある表現として。……いや、それは盛ったかもしれないけれど。
数学が分からなくて泣いたり、英語が分からなくて泣いたり、今年は男女関係なく、分からなくて泣く。彼らの幼さ、純粋さ、無粋さ、に驚く。「やだよ〜」「こわいよ〜」とテストを恐れる子どもたち。どれだけやっても今までできたことが本番で出来なくなることがあること、自分が凡ミス(凡ミスという言葉で逃げるのは良くないとずっと思っていたけれど、彼らのミスはそういう風にしか表現できないので敢えて表現する)すること…を勉強することで理解してこわがっている子どもたちを見て、「私もこわいよ」と返す。こわい。
私の予想問題はあたるから、と言って自作(試験作成者である私)の予想問題をひたすらに解かせ、採点のときには丁寧に直してあげる。生徒たちってば、自分で採点すると間違えるから。自分たちで予習も復習もしたことない子たちだから、試験対策なんてもってのほからしく、必死でよく分からないままに、でも与えられたものを素直にやろうとする姿は美しいときがある。
「えっ?!違うの?!くそー、まじかよ」「ふざけんなよ。だりー」「おいー、まじか」
態度悪くて注意せざるを得ないときもあるけれど、基本的にはその必死さや頑張りを応援したいし、報われてほしい、努力の大切さを知ってほしい。だって、みんな初めてこんなに必死になってる、らしい。中学時代は勉強してこなかった子たち。めまいがしそうだけれど、めまいしている暇がないのでガンガンやる。やるしかない、泣いてもなんでも。
そういう一生懸命が充満している教室に、青春を感じることがある。私はそれを見つめてる。