ああ、このことを書き留めておいて良かった

 

と、いつか思う私のために書いている。

だって驚くほど忘れてしまう。私は記憶力がいいはずなのに。文字を読んで、これは私が書いたのかと驚くことすらある。

 

 

 

顧問をしている部活の送別会をやった。3年生は1人だけ。その1人のために、盛大にやった。後輩はたくさんいる部活なんだ。ジュースで乾杯して、お菓子食べて、にぎやかで、とても良い時間だった。

 

 

 

私も生徒みたいに楽しかった。

 

 

 

彼は1年の途中から入部してきて、なんだか危なっかしいやつだったくせに、いつのまにか立派になってしまった。

 

 

 

くよくよ悩んでることもあるくせに、そういうの見せなくなった。大人になっちまった。自分で解決しようとするようになった。それで、あなたも今週、卒業していくんだね。改めて寂しさを感じた。

 

 

 

最後の最後、「あなたも卒業しちゃうのか、寂しいよ。」と言った。送別会をやって初めて、本当に本当に、ああ、もう3年生なのか、と、やっと思えた。3年生ってこと、卒業するってこと、もちろん知ってたけど、実感すると一気に寂しくなった。

 

 

 

彼は「いやぁ、ここまでもちましたよ」ってニヤって笑った。

 

 

 

その言葉に全部含まれてた。うん、うん、あなたがいてくれて良かったよ、、って返した。あなたのこと、頼りにしてたよ。思い出を思うとやっぱり寂しくなってしまう。

 

 

 

いつになったらお別れに慣れるんだろう。慣れないまま、いつのまにか私もこの学校を卒業してしまうらしい。