え?と思う、寂しさの正体

 

相手からの言葉に、「え?」と思ったことがある。

 

絶対この子たちを卒業まで面倒みたい、教育したい、と意気込んでいたとき、ほかの先生から「辞めないでね」と言われたり、保護者の人から「辞めちゃうんじゃないかと心配で……」と言われたり、した。そのとき、「そんなわけないじゃない!私はそんな次元にいないよ」と思うと同時に、「なんだぁ私の意気込みや存在価値なんてみんなは考えていないんだな、みんなに伝わってるぶんなんて、辞めちゃうかもなんて思われるほど微々たるものなんだな、私が辞めたってこの世界は変わらないってことだな」と思った。それで、すごく違和感と寂しさを感じた。私の世界はこれだけ、ってくらい狭く、この子たちや学校を愛し、尽くしていたのが馬鹿らしくなりそうだった。

 

でも、そうじゃないよね。今の私にとっては、あれらの言葉は救いになる。私がいたっていなくたって、世界は変わらず、この教育の価値は残り続けるし、生徒たちは成長し続ける。そんな世界の中で、「あなたがいてくれて良かった」って言われることの価値と喜びを噛みしめる。そんなふうに生きていく。